食の研究と学びを日本の台所とお母さんたちへ
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月刊マクロビオティック
かとうまさこ

Profile

かとうまさこ
フリー・ライター

1981年東京生まれ。日本大学芸術学部デザイン学科卒業後マクロビオティックの総本山である日本CI協会に10年間在籍し「月刊マクロビオティック」編集や販促物の制作デザイン、イベントの企画・運営などを行う。現在はフリーライターとして旅をしながら食のこと、日本のこれからを模索する毎日。猫と音楽と祭りごとをこよなく愛する。好きな食べ物は、おむすび、海苔巻き、旬の野菜。

Relay Baton Introducer

リレー前話、LUNAVIRE 堀田健志に「食メディアを一緒にやろうよ」と誘った流れからリレーバトンは、かとうまさこに託されます。フリーライターとして今後の活動をする "かとうまさこ" に、食のこと、旅のこと、人物像など多岐に渡りお伺いしました。

「月刊マクロビオティック」
10年の時を経て

––– 初めての方も多いかもしれませんので、簡単に自己紹介をお願いできますでしょうか。

かとうまさこ:はい、以前日本CI協会というマクロビオティックのいわゆる総本山のようなところで働いておりました。

そこはマクロビオティックの創始者である桜沢如一(さくらざわ ゆきかず)が創った協会で、「月刊マクロビオティック」という主に協会の会員さん向けの月刊誌の編集業務をしておりました。

いろんな方にインタビューをしたり、病気治しから育児に関する記事や、マクロビオティックなので料理は切っても切り離せませんから、旬の食材についてのこと、お料理の連載の撮影を立ち会ったりと…元々マクロビオテッィクという言葉だけは入社以前から知ってはいたのですが記事の編集をすることでより深く知ることになりました。

––– 入社されて食生活も変わったのでしょうか?

かとうまさこ:ええ、もちろん大きく変わりました。

入社当時は賄い制度というのがあったのですが、桜沢如一の奥様でリマ・クッキングスクールの初代校長だった桜沢里真先生に師事された方々が交代で賄いを作ってくださっていて、リマ東北沢店で売られている食材を使ったマクロビオティック料理をほぼ毎日食べていました。

それが美味しくないわけがなく(笑)

毎日美味しい食事を食べていて、家でも真似しているうちに自然とマクロビオティック料理が身についておりました。それがこれまでの食を変える大きなきっかけになり、そのうち体調が変わっていくことがわかったんですね。

元々病気はないにしても、身体にいろいろな変化が出てくるのがわかりました。

––– それはとても羨ましい社食ですね

かとうまさこ:今思うととっても贅沢で、最先端のことだったなと思っています。

なんといってもあまり詳しく知らないときに美味しい炊き具合の玄米に出会えたことが今となっては宝物です。

––– 月刊マクロビオテッィック誌は主にどんな方々が好んで読んでいましたか?

かとうまさこ:オーサワジャパンの取引先の方や自然食品店の経営者様、日本CI協会の会員の方々、リマ・クッキングスクールの生徒さん、あとは、リマの店舗を訪れたお客様などでしょうか。中には体の不調で悩んでいる方なども多かったと思います。

––– 書籍購入者さまの年代は如何でしたか?

かとうまさこ:30〜40代が多かったかなと。健康に関心を持ち始める年代の方が多いように思いました。

––– 月刊マクロビオティック誌を10年編集し、業界の大きな責任を果たしていたと思うのですが、具体的に責任を強く感じることはありませんでしたか??

かとうまさこ:2013年に「macrobiotic movement – マクロビオティックムーブメント」というマクロビオティックについて非常に詳しく書いた本を編集したのですが、歴史や哲学の部分をまとめるにあたり、大きな責任を感じたと思います。

かとうまさこ:もちろん私一人の力ではないのですが、企画を提案させていただき、社内が一丸となって出版したものです。

とても大きな責任でしたが、今となっては良い思い出です。

––– リリースされ2年ほど経過しておりますが、その影響力や波及効果などを感じることはありますか??

かとうまさこ:もう協会を離れて大分経っていますから、正直あまり実感はありませんが(笑) オシャレな蔦屋代官山にも置いてあったのを見かけたときはとっても嬉しかったです。また、勤めていたときに、とある講座のテキストとして使用したいとお問い合わせいただいたときも作ってよかったなと思いました。

 

新しい始まりとセドナ

––– 10年というのはどんな世界でも一つの節目と思える立派なキャリアだと思います。マクロビオテッィクを10年学んでなにか変わりましたか?

かとうまさこ:もういろんなことが変わりましたけど、もしかしたら変わったというよりは、元の自分を取り戻せた時間だったかもしれません。大学を卒業してからも社会の荒波にもませることなく…自分を殺すことなく自由なありのままの自分でいられる環境だったなと思っていますし。

かとうまさこ:桜沢如一がマクロビオティックにおいて一番伝えたかったことが「自由人になる」ということでした。

今まではその意味を理解するための10年だったのではと思いました。

右絵習えみたいな会社ではなかったですから、伸び伸びとやらせていただいたことに非常に感謝しています。

そして、とっても尊敬していた故・松本光司先生(元リマ・クッキングスクール校長)が桜沢先生に「自由人になるにはどうしたらいいですか」と聞いたら「それはまず独立することだよ」と言われたことを思い出してまして。独立によって色々わかることがあるだろうなと思っていました。

なので、この身一つで何処に行っても仕事ができるようにと思い、まずは食を通じて人の助けに何かができるように思って…

––– その教えを引き継いだまま何処かに行かれたのですか?

かとうまさこ:はい、そのまま旅にでました。

––– それはCI協会をお辞めになってからすぐ?

かとうまさこ:はい、もう旅にでちゃえ!て思って。って旅に出たというか現実逃避というか……

以前から気になっていたアメリカのアリゾナ州にあるセドナへ行きました。

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––– おーとても素敵なところですね!!

かとうまさこ:ええ、写真を見るたびにまた行きたくなります。向こうではCI協会のOBの方のお宅にホームステイしていました。その方のお仕事(観光業)を手伝いながら、マクロビオティックのお料理を作って、食費と宿代を免除していただき長居させていただくことができました。とても感謝しております。

––– 身についていたことが自然と生かされたのですね

かとうまさこ:そうですね、お料理したりお仕事を手伝ったり。

英語はそんなに喋れなかったのですが、なるべく外に出て地元の人しか乗らないようなローカルバスにも乗って、隣の町まで行ったり、自転車に乗って町を散策したり…長くいられるということのメリットを活かしたことをとにかくやってみました。

 ––– お料理の反応はいかがでしたか?

かとうまさこ:美味しかったと言ってもらえました。もちろん失敗もありましたが…

あまり余計なことはせず、マクロビオティックの知識を活かして、感性のままにを作ってました。

主に和風でしたが、夏のセドナの気候に合わせてあまり塩気を強くしないなど、与えられた食材を最大限美味しく食べられるよう工夫しました。

––– 日本に帰国した時も太ってなかったですよね。

かとうまさこ:もう、私は痩せて帰ってきました。日本のように夜更かしはしないし、お酒は飲まないし、浄化の旅でしたので。

––– 環境はどうでしたか??

かとうまさこ:アリゾナの5月〜8月に滞在したのですが、5月ですでに日本の猛暑といった感じでした。高地にあるので比較的過ごしや乾燥地帯でしたから最初のころカッサカサに肌が乾燥しましたが、一週間くらいで不思議と肌が落ち着いたんですよね。適応能力なのかなんなのか…。 また、マクロビオティックの関係者から聞いていたのですが、アリゾナは乾燥した大地なので、体の水捌けが良くなり、腎臓の不調がよくなると。なので、余計な水分が出て行ったか、むくみが取れましたね。

あとは色々自分の中の確認をする旅でした。

––– 3カ月のホームステイを終えて、日本へ向かう飛行機の中でどんな思いで帰ってきたのですか?

かとうまさこ:帰りたくないなーって笑

––– え?日本で何かやろうではなくて??

かとうまさこ:前世で過ごしていた環境だったようなので、懐かしくて離れるのが嫌だったのでしょうね。また、そのときは日本に帰って何かあるかもわからなくて、実際まだ日本についてからも旅の延長というような生活を続けていました。そして2015年の4月から今所属している会社にお世話になることになりました。

––– それはどのような会社ですか?

かとうまさこ:カフェや、マンモリラクゼーションを行うサロンを運営している会社です。また、エシカル、フェアトレードの商品を取り扱っています。児童労働撲滅のための商品も扱っていたりと、以前よりもより商品の裏側を意識するようになりました。倫理的背景を意識するなかで、人のためになることが何か模索している状況です。

––– まだ旅をしているんですか?

かとうまさこ:はい、いろいろ構想はあるんです。

––– ほー 興味深い

かとうまさこ:引き続き食の大切さを色々な方に伝えていけたらよいなと思ってます。

––– そんな中でまさこさんはオラクルカードが好きということですが?

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かとうまさこ:はい、そうですね(笑)

セドナで出会ったヒーラーさんが使っていたものと同じオラクルカードを買って、自分でよく使っています。

思えば…私は小学校のときからなぜかタロットカードが好きでしたし、

ある時カードと自分の相性がよいというこがわかって…

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––– 当たっているということ?

かとうまさこ:ですね、当たってるとか、、カードからメッセージを受けれるんでしょうね。なんかすごい超能力というわけではないのですが……

––– 超越した何かを感じているのですね

かとうまさこ:はい、それで人のことをみることもあります。お遊び程度ですが。

––– どんなカードが出るのですか?

かとうまさこ:もちろん、そのときに必要なメッセージが出るので、これといった決まったものはありません。

同じ時期に同じカードをたくさん引くこともありますが…

実は堀田さんと久しぶりに会うことになる前に、今の自分はこれからどうしたら…と思って引いたカードが

「Write」でした。

 

フリーライターとしての記し

かとうまさこ:Sednaにいる時も何回もすごいたくさん引きまして。。。

これはもうライターとしてやはり「書きなさい」ということなのかなと思いました。

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––– そんな中でビアストラに登場ですね

かとうまさこ:そうですね、ありがとうございます。

代表の堀田さんのBIO(ビオ)+ASTRAL(アストラル)=BIASTRA(ビアストラ)という考えにも、他いろいろな言葉にも共鳴いたしまして、ぜひご協力できればと思いまして、ライターもやらせていただくことになりました。

––– おめでとうございます! カードも応援してますね。

かとうまさこ:そうですね 笑

 

“日本のお母さんたち” を応援したい

––– いまライターとしてどんなコンテンツを届けたいですか?

かとうまさこ:やはり食の大切さを伝えたいです。健康でなければ働けないですし、楽しく生活もできない。

そしてその「健康」というのは食ありきですから、まずそこを改めることが一番結果の出やすいところなのですよね。

そこで思うのは、食事を作り、そして人を育てる「日本のお母さん」がしっかり食の知識や知恵を知らなければと考えています。

なのでまずは、日本のお母さんが食について考えるということをしていただきたいなと思います。もちろん、男性だって意識した方が良いと思います。

––– 家庭の台所ですね

かとうまさこ:そうですね、マクロビオティックのお料理教室でもよく聞きましたが、台所は家庭の薬局とも云われる我々の体を作る大事なものなのです。

食事方法を伝えながら楽しく向かい合っていただけるようなことを掘り下げてやっていきたいですね。

農家の方のように食に携わる裏方の方々の紹介もしていけたらよいなと思います。

 

ライトな質問

––– すこしライトな質問をさせていただきますが、好きな食べ物は何ですか?

かとうまさこ:おむすび、海苔巻き、そして旬の野菜です。

––– 最近は流行りのオニギラズはダメですか?

かとうまさこ:いや、ダメとは思いません。あれはお米のサンドウィッチですよね。あれを否定するわけではないのですが、マクロビオティック的な観点からしてオニギラズのように時代が陰性をもとめているんですよね。おにぎりは握るという行為から「陽性」であり、それを求めず、にぎらないものを求める時代の現れなんだろうなと思います。

––– なるほど。陰陽での考察が面白いですね。

かとうまさこ:時代や環境などで我々は求めるものが常に変化します。その変化に常に最善のものを自分で判断していくことがマクロビオティックの陰陽を知っているととっても楽になりますよね。

––– 陰陽ですか。そのあたりしっかり時間をかけて、別の機会にもお話をお伺いしたいですね。

かとうまさこ:マクロビオティックでは物事を判断するのに陰陽を一つの物差しのように用います。また、人生における羅針盤とでもいいましょうか。そんなに難しいものではないのですが、話すと長くなりますし、、もっと詳しくお話をしてくださる方にインタビューにいくということでお願いします 笑

––– わかりました 笑 ところで宇宙は好きですか?

かとうまさこ:ええ、もちろんです! 自分は他の惑星から来たかもという気がたまにしてます…

……て、なぜ宇宙のこと聞くのですか?

––– ビアストラのアストラは「星のような」という意味もあります。

かとうまさこ:奥が深そうですね。宇宙や星といえば松本零士先生の「銀河鉄道999」が大好きです。私の原点のような気がしますし…あのような旅に常に憧れていますね。

––– ビアストラの取材レポートで旅をしてくださいね。

かとうまさこ:もちろんです!

––– これまで数えきれない程の読者様にすでにメッセージを発信されてきたと思いますが、まだ見ぬBIASTRAの読者様へも、何かメッセージをお願いできますか?

かとうまさこ:ビアストラを通じて、食の大切さですとか、自分との向き合い方ですとか、いろんなことを吸収していただければと思います。

いま皆さんなにかとお膳立てが必要な時代です。

私も含め、生まれたときから病院で様々なお膳立てを受けて生まれてきた人がほとんどの世の中です。

人はバーストラウマといって、生まれてくる前のことや生まれ落ちてくるときの記憶が自分の人生の癖として現れると言われているくらいなので……

自ら何かを作り出そうとするのはなかなか勇気のいる時代になってしまったと思っています。

こちらが何かお膳立て、つまり様々な提案をすることで今の時代のニーズに応えられるようになるではと思っています

––– 心強いですね!おいしい食レポにも期待していますよ。

かとうまさこ:食の好みは人それぞれですが、できる限り心と体に美味しいものを提案していきたいです。

––– オイルとか大事ですよね

かとうまさこ:そうですね、オイル摂らないと老いるとも言いますからね。

––– ここでまさかのダジャレが出ましたね。それでは大変長時間になりましたが、本日取材をさせていただきまして、ありがとうございました。

かとうまさこ:はい、こちらこそ!これからも宜しくお願い致します。

ありがとうございました。

編集後記

いま10年のCI協会の激務を終え、セドナに旅立ち、日本に帰ってさらに食の研究に加速がついた "かとうまさこ" という人物に思いを寄せてみた

10年というサイクルは、1つの業界を深くしっかりと理解するのに必要な年月と思う。

そしてどんなに深く経験を重ねても、食業界という場所は責任の連続であったのだろうと感じることを私は彼女の仕事現場から感じていた。

世間的によい意味で言えば「食で健康になる」ことがマクロビへの期待。実際にそれが可能かどうかは、体験としても客観視としても本質的な真相を「知っている」のが "かとうまさこ"です。

彼女の言葉や姿勢には、謙虚な姿勢ながらも威厳とも感じられる雰囲気が滲み溢れてくる食に対する責任感がある。

CI協会という極めて強固なバックグランドを持ちながらも、一つの枠組みには囚われず、まさに解き放たれた今、新たなる自由へ、新たなる可能性を目指し、食の世界に飛び立った "かとうまさこ"

彼女はいまでもマクロビオティックの源流から研究を重ね、食を通じて日本人の健康に貢献しようとしているのである。

誰かを助けたいと思う善なる心のある人間を支えることがBIASTRA [ビアストラ] というサイトの使命的コンセプトであり、今後深く彼女のライター活動を温かく見守りサポートしていこうと思う。

かとうまさこのリレーのバトンは、エネルギーとして "繋げる" という選択の先に、BIASTRAの本当の磁力、BIASTRAのエネルギーの正体を明かそうという狙いが感じ取れた。

このバトンは、立ち上げスタッフの真由美へと渡ります。リレーバトンにどうぞご期待ください。

堀田健志